G-FLEX Story その12・・・報復攻撃

その日、怒りが収まらない僕はとっても微々たる報復として、横浜銀行に作った会社名義の口座に入れてある235万円(本来265万だが、30万はキャッシングの返済やらに使ってしまった)を全部引き出しました。そんな預金が減っても横浜銀行は痛くも痒くもないでしょうが、それしか出来ません。

(くそぉ、たとえ将来俺がビッグになっても、横浜銀行とは絶対取引しないぞ。)

なんて思いました。

そしてそのまま235万円を持って三井住友銀行に行きました。これは他の銀行でも再び融資申込みをしようと思っていたからです。
235万円程度のお金でも、現生を持って歩くと緊張します。僕はまるで銀行のお金を運ぶALSOKの警備員の様な警戒心を振りまいていたに違いありません。
ここまで来る間、以前通っていた創業塾で一緒だった行政書士の先生に相談したりしていました。その先生の事務所では、融資の申請などもやっているとの事で、最後の手段として、プロに頼むと言うことも考えていたのです。ですから、三井住友銀行に変えて、開業計画や申請書など全てプロ任せで(お金はかかるが、この際仕方ない)行くという考えがあったのです。
三井住友銀行はサラリーマン時代給料の振込み口座があったり、住宅ローンを組んで返済実績があったりしたので選びました。

まずは窓口に行き、会社の口座を作ってかばんの中の235万円を全部預けようと思いました。書類を書いて、登記事項証明など必要書類と現金235万円入った紙袋(横浜銀行のネーム入り)をドンって感じで置きました。

(とりあえず、これだけ入れといて)

目で言いました。

「はい、書類の方ありがとうございます」そう言って、窓口嬢はちょっと怪訝そうな顔でお金の入った袋を見ました。
そして、
「それでは、一週間くらいでお口座が出来ますので、身分を証明するものと、銀行印をお持ちください」
と言いました。

「あれ?あの、これ、お金は・・・?」

僕が指差す横浜銀行の包みを見ながら、窓口嬢は、
「あ、こちら現金ですか?本日はまだお預かりする事は出来かねます」
と言いました。

「あ、そうですか。なるほどね」

尚も威厳を失うまいと振舞いつつ、僕はそそくさと235万円をかばんに戻しました。
三井住友銀行を出た後、235万円を自分で持っているのも不安なので、結局もとの横浜銀行に戻って、全額さっき引き出した会社の口座に戻しました。
こうして、僕の微々たる報復攻撃は、誰にも気づかれることも無く終了しました。

それから程なくして、国民金融公庫からも「このままでは少し難しい」との相談の連絡が入ったのです。

その13 残されたカードへ