発音って何故難しい?

日本人の英語

僕の知り合いがオーストラリアに行った時の話です。

たまたまバーで知り合った男と話していて、
「君は日本人だろう?」
と言われたそうです。知り合いは一瞬嬉しかった様。何故ならオーストラリア人から見て、日本人も中国人も韓国人もみな同じに見えるから。
「そうだよ、良くわかるね」
と返したら、
「だって英語が下手だからさ」
と言われたらしいのです。

英語が上手いって?

私たち日本人は英語が下手と言う意識もあるが、特に発音の面では他国に比べてかなり悪い様です。英語が上手いとか下手とかは知識量などではなく、その発音やイントネーション(流暢さ)に対して言われる言葉なのです。
二人の外国人が、

「ありがとうございます」

と言うのと、

「アリガトゴザイマース」

と同じ事を言っても前者の方が日本語は上手いと言える。

では日本人の英語の発音が悪いのは何故か。
これは日本語の持つ音の少なさに起因すると考えられている。基本の51音で言葉を組み立てているので、同音異句が多数存在している。発話する音の数が少ないと言う事はそれだけ口の筋肉を動かしていないと言う事に通じる。
良く言うLとRの発音は舌を使って違いを出している。しかし日本語は「らりるれろ」で舌を使うがべろが行ったり来たりする変わった動きをする。さらにFやVに関しても日本人は上手く発音出来ない。これは唇を使って発音するのだが、これに相当する日本語発音はない。
今まで使ったことのない舌や唇の動きをしようとしても無理だ。その動きの筋肉がない。ちなみに日本語発音数が100程度と言われ、英語の音の数は1800とも言われている。

英語の発音

最近発音矯正が流行っているみたいですね。通じる通じないは元より、一番の理由は先に書いた「英語がうまい」と言われる事だと思います。

しかし、これは結構大変な事です。何故なら英語発音を良くする事は、ほぼ筋トレですから。
私たち日本人は普段日本語を話しているので、口が日本語の口になっています。口を動かす事はつまり口の筋肉を動かす事に他なりません。しかし、日本語ばかりを話している私たちの口、舌、唇は英語の発音に必要な筋肉が出来ていないのです。

日本語はほとんどが口の形だけで発音します。しかし、英語は唇、舌、歯(舌を挟む)などを駆使して様々な音を出しています。この今までした事のない動きが突然できる訳がありません。
ちなみにフランス語は鼻も使いますし、アラビア語においては喉の奥から音を出すそうです。

ですから大人になってから発音矯正をするのは、結構大変な事だと思います。これが子どもだとかなり楽に出来てしまいます。何故なら子どもの体は発達段階で、筋肉が作られる事も非常に自然に出来ます。

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