4.現物無き営業活動

構想はあれど、はじめから全てを自社でやることは不可能だと認識していました。しかし何かを始めなければならない。

そこで、力のある会社と協業する事を考えました。アイデアと内容説明だけで話を数社に持ちかけました。ほぼ全て大手です。

一社を除き、きちんと返事がありました。いくつかは「自社で運営しているコンテンツと被るので協業はできません」と言うものでした。後はそういう計画や予算はないなど。

一社全く返事がなかったのは、英会話を勉強している方なら誰でも知っている大手英会話教材メーカーのA社と言う会社でしたがその2年後、その会社が何故返事をして来なかったのかを知ります。

A社は私のアイデアの一部を使った新サービスを発表したのです。現実はどうかは解らないですが、今でも私はそう思っています。

しかし、幾つかの会社はミーティングを受け入れてくれました。当時の日本国内の音声認識大手ベンチャー発のB社は、本社で役員レベル方とお話する事も出来ました。私は当時雇っていた日本語が解る技術に長けたイケメンイタリア人をお供に向かいました。

大きな会議室に案内され、見事に真っ白なボブの髪の方がどうやら技術のトップの様でした。

会議室の前に立ち私がとうとうと説明して、相手社員の一人を相手にReflex trainingを実践を披露していたら突如白髪の方が、

「私たちは君の生徒じゃないんだ!一体何が言いたいんだ!」

と立ち上がって大声で怒鳴りました。

一同騒然です。

イタリア人の彼もビビッている様子でした。

ところが私はプレゼンの悦に入っていたので、邪魔をされたと思い逆に睨み返しました。

「君はいったい私たちに何を欲しているんだ」

「つまり、日本人の英語でも認識できるエンジンを作って欲しいのです」

私の言葉に、

「とにかく座りたまえ」

白髪ボブはそう私に言い、前に出て来て日本人の英語を認識する事が如何に難しいのかを技術的に説明し出しました。結果としてそれ以上前には進みませんでした。

数年後その会社は日本人向けの英語認識を使った学習教材をリリースした様でしたが、売れなかった様で発売を中止した記事をネットで見ました。

そういった活動の中で、やはり見せられる現物がないと説得力がないと思い、外注の開発会社をあたる事となります。

一年ほどでRVSのほぼ原型が出来上がりました。

その後VC(ベンチャーキャピタル)などもあたりましたし、大手の予備校Rセミナーや、大手教材卸商社などでもプレゼンをしましたが、私どもの製品があまりに未完成なので「完成したらまた見せて欲しい」と言われます。協力資金を得る事は簡単ではありませんでした。

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