9.最後のやり直し

これで3回目のやり直しになります。何て非効率的かと思いますが、仕方がありません。どう考えてもスケジュール的に間に合うはずもありません。事業再構築補助金の事務局に延期の申請を出し、しかもそれには間に合わないスケジュールしか組めないとの事を了承で、とにかく実現するしかないのです。出来なかったら補助金給付はない。全てが私の借金になるのです。

新しい会社を3社ほど当たりました。そして決めた開発会社は規模はそれなりでしたが、とても良心的な金額を提示して来ました。もともとVC(ベンチャーキャピタル)に出資されて立ち上げたと言う事なので、何らかの新規事業を狙っていたと思います。それは終わって(つまりブレイク・上場などはしなかったのでしょう)、現在のIT企業として運営していると聞きました。

オンラインでしかやり取りはしていなかったのですが、社長はとても優秀な人間だとのイメージがありました。しかも若くて慶応大卒のなかなかのイケメンです。

世の中の理不尽さを感じながら、なめられない様に慎重に言葉を選びました。技術者は理屈や法則を持ち出して結果を語るので、それに負けない様に考えて返答する。つまり、こちらから何かクレームがあれば、彼らはもともとの仕様にないことは一切しないのです。本来この様な開発には変更は沢山あります。その度にそれは別案件(つまり追加料金)になります、と繰り返します。大変融通が効かないのでイライラしました。その中には明らかにウソがあったのですが、相手を完全に攻め伏せるのは自分の為にならないと思い、一歩引いたりもしました。

補助金のスケジュールに間に合わせる為に仕様を変えたりしました。満足な完成を待たず、補助事業の完了の日が来てしまいましたが、あとは無償で改善をすると言う提案をしてくれたのでその条件を受け入れ、支払いを全て済まし補助事業を完了させる事が出来ました。

それまで未完成の物を宣伝し、売れる訳もないのですが事業再構築補助金に於いては商品開発をする場合開発が先に終わるべきだったのにそれが叶いませんでした。

その後も満足な性能になるまで常に改良する必要がありました。

このRVSは日本人の英語に対する言語構造を身に付ける為のシステムとして開発して来ましたが、もっと有効な使い方があったのです。

⇒10へ

Back To Top